秋の登山電車 彫刻森駅付近をゆく2000形電車 
箱根登山鉄道は小田原と強羅温泉をむすぶ日本で唯一の本格的登山鉄道である。歴史は古く、明治15年(1888)に国府津〜小田原〜湯本(現在の箱根湯本)をつなぐ小田原馬車鉄道にさかのぼるが、現在の鉄道線は1919年箱根湯本駅〜強羅駅間、1935年に小田原〜箱根湯本間が開業した。現在、箱根登山鉄道は小田急箱根ホールディングス(株)の子会社となっていて、小田急系列である。このため、小田急の特急ロマンスカーが箱根湯本駅まで乗り入れている。

小田原から箱根湯本までは比較的ゆるやかな登り線路だが、箱根湯本からは本格的な登山鉄道になる。標高553mの強羅駅までの約470mの標高差を急勾配、急カーブに加え、3ヶ所のスイッチバックによってよじ登る。ケーブルやラック・ピニオン(アプト式)などを使わないで、車輪とレールの粘着力だけで登る鉄道線はここだけである。沿線はトンネルあり、深い峡谷を渡る鉄橋あり、線路際には夏は新緑やあじさい、秋には紅葉が乗る人の目を楽しませる。(2005.11.16)

箱根登山鉄道データ
路線距離 小田原駅〜強羅駅間15.0km
軌間 1435mm 小田原〜箱根湯本間は1067mmとの三線軌条(3本レール)
駅数 11駅(起終点駅を含む)
複線区間 全線単線
電化区間 全線(小田原〜箱根湯本間、直流1500V、箱根湯本〜強羅間、直流750V)
その他 トンネル13ヶ所(延2km)、鉄橋26ヵ所、スイッチバック3ヵ所
急勾配 最大80パーミル(1000mにつき80m上がる)、急カーブ 最小半径30m
保有車両 モハ1形 4両(103、104、106、107)
モハ2形 3両(108、109、110)
クモハ1000形 4両(1001、1002、1003、1004)
2000系 9両
・クモハ2000 6両(2001、2002、2003、2004、2005、2006)
・モハ2200 3両(2201、2202、2203)
計20両ですべて電動車両
箱根登山鉄道を撮る スイッチバックの光景
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