札幌市電&札幌駅ウォッチング 2016.07.19~20
日本最北の路面電車を見て、乗るべく札幌市に赴いた。札幌には以前2回ほど訪れたことはあるが、市電に乗るチャンスはなかった。冬になると「ササラ電車」という除雪車を走らせることで知られている。

札幌市は人口195万人(2016.06.30現在)で、東京23区・横浜市・大阪市・名古屋市に次いで5番目にランクされる大都市である。明治になってからの都市計画に基づいてつくられたため、東西南北を碁盤の目状に道路が走っていて、きわめて整然とした町並みとなっている。札幌の中心にあるこの大通公園()は1871年(明治4年)に中心部を北の官庁街と南の住宅・商業街とに分ける大規模な火防線としてつくられたのが始まりという。公園のシンボルである、さっぽろテレビ塔は高さ147.2メートルで、東京タワーより1年前の1957年(昭和32年)に完成した。
札幌には見どころがたくさんあるが独自判断で、時計台、北海道庁の赤れんが旧本庁舎、北海道大学などを駆け足で周ってみた。


札幌のシンボル「札幌市時計台」
1878年(明治11年)に建てられ、北海道大学の前身である札幌農学校の演舞場として使われていた建物。時計は振子式で、1881年(明治14年)に取り付けられて以来、現在まで正確に時を刻んでいるという。
北海道庁旧本庁舎
1888年(明治21年)に建設され、約80年間北海道庁として使用された。当時のアメリカ風ネオ・バロック様式を取り入れおり、明治の代表的なレンガ建造物として昭和44年に国の重要文化財に指定されている。

北海道大学
1876年(明治9年)に北海道開拓のための人材育成を目的として建てられた札幌農学校が前身。構内は東京ドーム38個分と言われるほど広い。


小川の流れる構内
 広々と緑あふれるキャンパス
 
 
 
 
クラーク像
ウィリアム・スミス・クラーク博士はアメリカの農学者で1976年(明治9年)に札幌農学校初代教頭に就任した。”Boys be ambitious”の言葉は日本人なら誰でも知っている。


大学構内にあるポプラ並木
樹齢100年以上のポプラが立ち並ぶ並木だが、半数近くが台風で倒木し、立て直しによって一部が再生して散策できるようになったという。
札幌市電 札幌駅ウォッチング 小樽は雨

札幌市電
札幌市電は1909年(明治42年)に石材輸送線(馬車鉄道)の敷設が発端で、その後、1912札幌市街馬車鉄道→1916札幌電気鉄道→1917.8札幌電気軌道→1927.6札幌市電気局→1943.1交通事業所→1947.6札幌市交通局というぐあいに変遷している。最盛期には総延長25km余の路線があったが、利用客の減少や地下鉄の開通などで、1系統3路線(一条線・山鼻線・山鼻西線)9.3㎞までに縮小された。この系統の末端である西4丁目停留所と、すすきの停留所は徒歩5分の距離しか離れていないという、半環状線だったのだが、2015年12月に両停留所を結ぶ都心線が開業して完全な環状線となり、総延長は9.8kmとなった。これにより、ほとんどの電車は「循環」運転を行っている。停留所数24箇所、一周するのに1時間弱、運賃は一律170円である。西4丁目とすすきの交差点を観察してから、すすきの停留所で外回りの電車に乗り込む。電車はしばらく西に進むがすぐに左に折れて南下する。ここから約2.5kmは直線区間となる。途中、中島公園通で下車してしばらく歩き、行啓通りで再び乗車する。電車はこの先、幌南小学校前で西に折れて約1.3kmほど走って右に折れると電車事業所前に着く。ここには市電の運行拠点があって車庫もあるので降りてチェックする。この停留所からは真っ直ぐ北上し、西15丁目で右折して東進し、西4丁目を経由してすすきのに戻る。電車は揺れも少なく快適だった。
総延長距離 8.905km
路線数 4路線1系統
停留所数 24箇所
軌間 1067mm
電化方式 直流600V架空電車線方式
車両数 37両(2XX形18両・85XX形6両・3300形5両・A1200形3両・M100形1両・ササラ電車4両)

西4丁目交差点 都心線の開業で新しく線路が敷設された。在来線路が道路のセンターにあるのに対し、新線の線路は道路両端の歩道寄りに敷かれているのがわかる。

都心線から出る内回り電車 8500形

都心線にはいる外回り電車 210形

狸小路商店街 ここにも新しく「狸小路停留所」がつくられた。

すすきの交差点 都心線と在来線路の接続部。外回り電車(左)と内回り電車がすれ違う。3300形

すすきの停留所 低床車両のA1200形(愛称ポラリス)

すすきの付近を走る240形

行啓通り停留所 240形

電車事業所前停留所に進入する 240形
電車事業所内の車庫               右隅にササラ除雪車が留められている

札幌駅
JR札幌駅と直結する形で、大規模な商業施設やホテルがはいっているJRタワーを中心にデパート(大丸札幌店)、地下商店街などが集まっている。
南口側と北口側
札幌駅プラットホームウォッチング
新千歳空港へ快速列車で向かう道すがら、5・6番線ホームに立って出入りする列車をウォッチングした。

札幌駅には、函館本線・千歳線・札沼線(学園都市線)の列車が発着する。平日における1日の列車本数は760本あまりで、そのうち特急列車は125本が発着する。それらをさばくプラットホームは、5面10線の大規模な構造となっており、10番線の外側にもホームのない副本線(11番線)がある。
当駅は通過型のホーム形態だが、特急列車のほとんどは札幌を始終点としているため、基本的に通り抜ける特急列車はない。札沼線の列車もすべて札幌駅折り返しとなるが、函館本線と千歳線の普通列車や快速(エアポート、いしかりライナーなど)列車の一部は通り抜けて運転されるものが多い。

JR北海道の電化状況は札幌を中心に約505kmほどの路線で達成されているが、電化率は21%と全国で最も低い。そのため電車による特急列車は「スーパーカムイ」(札幌-旭川)、「すずらん」(札幌-室蘭)の2種だけで、ほかはすべて非電化区間も走れる気動車特急である。ちなみに、廃止になった「カシオペア」・「北斗星」・「トワイライトエクスプレス」などの本州からの寝台特急は、函館までは電気機関車による牽引で、函館駅からはディーゼル機関車が牽引して札幌まで来ていた。なお、電化路線は交流50Hz・20000Vの架空電気線方式である。


普通列車千歳行き 721系電車 10番線の隣にはもう1本の線路(11番線)がある。

札幌-函館を結ぶ「特急スーパー北斗」 キハ281系気動車 函館までを3時間41分で結ぶ

右は「快速エアポート」新千歳空港行き 721系電車 

小樽方面に向かう普通列車 733系

札幌-旭川間を結ぶ「L特急スーパーカムイ」 789系電車 旭川まで1時間25分で走る

札沼線(学園都市線)北海道医療大学行き普通電車 721系+733系

普通列車 733系

「特急スーパー北斗」函館行き キハ261系気動車

「特急オホーツク」網走ゆき キハ183系気動車 5時間29分で走破する

「快速エアポート」新千歳空港行き 733系電車 空港まで37分で結ぶ

「特急スーパーおおぞら」釧路行き 283系気動車 釧路まで4時間の旅

「快速ニセコライナー」 札幌→倶知安間で運転される 車両はキハ201系気動車
キハ201系は通勤型気動車だが、731系電車と連結して電車と気動車による日本で唯一の協調運転を行っている。

学園都市線のキハ40系気動車 時刻表上では札幌駅に来ることはないはずだが・・・

小樽は雨・・・
札幌に行く前に新千歳空港から「快速エアポート」で小樽に直行したのだが、あいにくの雨模様。それでも傘をさして駅からまっすぐに延びる中央通りを歩いて小樽運河に向かった。着いてみると、ちょっと霞んではいるものの、いい雰囲気だ。連休明けの平日とあって観光客はまばらだが、こんなところでも意味不明の言語が飛び交う。
小樽駅 駅前から港に向かって緩い下り坂が運河まで真っ直ぐに延びている。

小樽運河 小樽港に沖合の船から荷揚げする艀(はしけ)を倉庫に接岸させるために造られた水路。その後埠頭ができて運河の役目は終わったが、運河の幅半分を埋め立てて散策路を造るなどをして観光資源として復活させたという。

ホテル・ノルド小樽
手前の橋は「浅草橋」というそうだ。


運河めぐりの遊覧船も運航している

日本銀行旧小樽支店 1912年に竣工した建物で、商業都市として発展していた当時の小樽の雰囲気を感じさせる。現在は金融資料館になっているという。


国鉄手宮線(貨物)跡地

北海道で最初の鉄道開業区間の一部で、1880年に開通した。石炭や海産物の輸送で栄えていたが、1985年(昭和60年)に廃止となった。


札幌に引き返すのに「区間快速いしかりライナー」に乗ってみた。札幌まで40分弱だ。


「区間快速」江別行き
731系交流電車
JR北海道では初の本格的な通勤形車両。
1997年度鉄道友の会のローレル賞を受賞したという。


平日の真昼間とあって車内はガラガラに空いていたが、窓ガラスが汚れていて車窓からの風景は霞んでいる。白内障になったようで、なんとも落ち着かない。
ほかにも同じような車両の列車があったが、清掃の手抜きではないか?
鉄道総合サイト:「鉄道少年のなれの果て」
関連動画:「札幌市電」・「札幌駅5・6番ホーム