東武鉄道 和光市駅
東武東上線の和光市駅は東京メトロ有楽町線・副都心線が合流する。ホームは2面4線で、外側の2線が東上線、内側が地下鉄乗り入れ線用となっている。地下鉄線からの列車はそのまま東上線内に直通するほか当駅止まりの列車もある。西武鉄道の車両も当駅までやってくるが東上線には乗り入れず折り返す。

東京の地下鉄はJR線や私鉄線との相互乗り入れが盛んである。その結果、ここ和光市駅のように、直接つながっていないにもかかわらず、西武線の電車がひょっこりやってくるという現象が発生する。これは鉄道が相互乗り入れをしている場合は、お互いに走行距離を均等にするためである。地下鉄線内では東武も西武も東京メトロの車両として扱われ、東京メトロ線内の和光市駅までは西武の電車でも走行距離調整のため入線するからである。ただし、西武と東武の相互乗り入れの取り決めはないので、その先の東武線内には西武の電車は入線できない。

3社以上の鉄道会社が車両を相互乗り入れできるようにしているケースは多い。京浜急行−都営浅草線−京成線/北総線や、東急田園都市線−半蔵門線−東武伊勢崎線/日光線、東急目黒線ー南北線ー埼玉高速鉄道などは典型的な例である。このようにして、ある日突然見たこともない電車が町にやってくるような光景があちこちで見られるのである。

副都心線を追って和光市駅まで来たついでに頻繁に往来する電車を見てきた。東武鉄道の50000系列、10000系列、9000系に古参の8000系のほか、東京メトロの10000系、7000系および西武鉄道の6000系の車両たちが顔を合わせる。(2008.06.15)

東武鉄道

9050系 
9000系列の派生型で東上線系統の地下鉄有楽町線および副都心線乗り入れ用車両。


10000系
1982年に9000系をベースに製造された地上線専用車両。東上線のほか伊勢崎線、日光線でも使われる。
なお、消息通によれば、2008年6月14日の東上線ダイヤ改正に伴って池袋発着の列車はすべて10両編成化され、そのために一部車両の編成替えがおこなわれた。10000系については、10両固定編成4本のほか8両固定に2両固定を連結して10両とした2編成が新たに組まれた。その2両固定編成は伊勢崎線・日光線所属であった2編成が東上線に移ってきた。上の写真の"12202”号車とその後ろの1両(11202号車)がそのうちの1編成である。

10030系
1988年に10000系をマイナーチェンジして製造されたシリーズ。東上線のほか伊勢崎線、日光線、生越線で使われている。

50070系
50000系列の有楽町線・副都心線乗り入れ対応車両。10両固定編成。

50000系は2005年に東上線系統で運用が開始され、その後2006年に伊勢崎線・日光線系統における半蔵門線直通用の50050系、そして2008年に有楽町線・副都心線直通用の50070系が登場した。さらに東上線の新しいサービスである、座席定員制列車「TJライナー」用の50090系も運用を始めた。

従来の東武車両とはまったく違ったデザインとなっている。ダブルスキン構造のアルミ車体で、日立製作所の新しい鉄道車両製作システム「A-train]により製造されている。

東京メトロ

7000系 副都心線乗り入れ対応車。 8両編成。


7000系 有楽町線乗り入れ専用車両。前面に”Y"マークを掲げる。10両編成。


10000系 トップナンバー(第1編成)
8両編成車で副都心線にのみ乗り入れる。
日立製作所の鉄道車両製作システム「A-train」により製造されたアルミ合金車体。

10000系  第15編成
10両編成車で、有楽町線、副都心線ともに乗り入れる。
よく観察すると上の第1編成車との間にわずかな相違が見られる。
@東京メトロのシンボルマークがない。
A前面のラインカラーの帯色から黄土色(ゴールドと称している)がはずされている。

西武鉄道

6050系 6156編成(アルミ車体)
こんなヘッドマーク(秩父札所総開帳号)をつけた電車もやってくる。本来はイベント列車として西武秩父線方面に行くのだろうが、走行距離調整の関係でここまで来たのだろう。
西武の電車はここで折り返し、東上線には乗り入れない。


6050系  6154編成(アルミ車体)
副都心線からの乗り入れ車、当駅止まり。

6000系(準急新木場行き)と東武50070系(急行川越市行き)電車の顔合わせ。

関連ページ:・鉄道総合ページ「鉄道少年のなれの果て」
        ・「東京メトロ副都心線開業」
        ・「西武鉄道練馬駅」