速報!東急電鉄 新7000系
東急電鉄に新型車両が登場した。池上線・多摩川線用の新7000系である。このほど本拠地である雪が谷検車区にやってきたので速報する。新7000系の詳細はすでにいくつかのサイトで説明されているので省略するが、なんといっても特筆すべきは、折しも今年ちょうど全線開通80周年をむかえた池上線に専用の新型車両が投入されたことである。池上電気鉄道時代はともかく、東急時代になってからの池上線にまっさらの新型車両が配備されたというのは恐らく初めてのことである。

東急電鉄では旧5000系(アオガエル)以来、新型車両はまず東横線に投入され、目蒲線や大井町線、池上線などほかの線区には順次お下がりが下げ渡されるというのが常道だった。旧5000系、旧6000系、旧7000・7200系、8090系、8500系、1000系などはすべてまず東横線に投入された。最近の目黒線用3000系も第一編成(3001F)は東横線の急行用として走った。これは、東急全体で車両の融通をして効率よくしかも長期間使っていこうという考え方によるものである。そのため、きわめてマメに更新・修理して寿命ギリギリまで使いまわしてきた。これが東急電鉄の伝統であった。しかし、最近になって路線別に車両を分ける方針に転換したらしく、田園都市線用に5000系が配備されたのを皮切りに、東横線5050系、目黒線5080系と、系列は同じでもその路線独自の車両が作られるようになった。今回の新7000系もそのような流れに沿っているようだ。

池上線では、3000形・3500形といった旧型電車の時代が長く続き、ある意味では不遇だった。ステンレス車体の電車が来たのは今から15年前の1992年で、一夜にしてすべての車両50数両がステンレス車(7600・7700・1000系)に置き換えられた。それまで非冷房車の天国だったのが一挙に冷房化率100%になったのである。このとき、配備された1000系は池上線用3両編成で新車として投入されたので、池上電気鉄道以来63年ぶりの新車だったと言われた。しかし、1000系はもともと、東横線で日比谷線に乗り入れていた先代の7000系の後継として作られたものであり、本当の新型車両とは言い難い。したがって、こんどの新7000系こそまさに池上線開闢以来の新型車両なのである。奇しくも先代7000系の後を襲った1000系がこんどは新7000系に取って代わられるという巡り合わせとなった。

さて、その新7000系だが、5000系をベースとしているというが、かなり傾斜して丸っこくなった先頭部分や緑色系のフィルムでラップされた側面など、これまでの東急電車のイメージを大きく変えている。それにシンボルカラーである赤色の帯などは施されていない。およそ東急電車らしくないが、これが角ばった銀色の1000系に混じって走ると異彩を放つだろう。
1編成は3両で、今回は2編成6両が投入され今後19編成57両が順次7600・7700系と1000系の一部を置き換えるという。
ともあれ、幼少のころから親しみ利用してきた池上線に新風を吹き込み、大いに活躍するのを地元住民として期待したい。
なお、来年には大井町線にも新6000系が登場するという。これもまた楽しみである。(2007.11.28)


7102F編成 五反田←7102+7202+7302→蒲田
この日は新車講習会か? 運転士たちが集合していた。

蒲田方向の7302号車
側面は5000系の流れをくむが、先頭部分は都営5300形に似ていなくもない。

7101F と7102Fの並び

新旧電車の並び
1000系

「池上線全通80周年」のヘッドマークをつけた1000系1023F
車庫の横を蒲田に向かう1017F
まもなく引退する電車たち

7700系
旧7000系の派生型で駆動系を新しくしたもの。(雪が谷大塚−石川台) 2006.07

7600系
旧7200系の電装と駆動系を新しくして更新し、当時の目蒲線および池上線用に転用した車両。
(多摩川) 2001.09

営業運転

やっと捉えた営業運転の7102F 蒲田行き   雪が谷大塚 2008.04.12
営業運転が始まってもまだ2編成しかないので神出鬼没の状態である。この日は車庫にいないのでちょっと待ってみようとしたら、いきなりやってきた。あわててカメラをバッグから引っ張り出して撮ったのがこの2枚。ちょっと傾いたが良しとする。よく見ると行先表示が「池上線」となっている。「蒲田」、「KAMATA」と交互に表示するようだ。
鉄道総合ページ:鉄道少年のなれの果て
健在!7700/7600系