車両番号(車号)の謎

車体に付けられている番号を専門用語では車号と呼ぶが、これは各車両の戸籍であり、この番号で車両のすべてを管理する重要なものである。当然この番号には意味があって単なる数字ではない。数字を眺めて意味を読み解くと、車号の付け方には各社各様のやりかたとルールがあることがわかって面白い。

東武、営団、東急について、代表的な車号の付けかたを示す。

《東武》
・30000系 「31601」
3・・・・30000系
1・・・・1号車
6・・・・6両固定編成であることをあらわす
01・・・編成番号

半蔵門線直通は10両編成なので、この6両編成に4両を増結しているが、それは「3x4yy」の番号をもつ4両固定編成である。ただし、編成番号「yy」は6両固定編成と同じとは限らないが、仮にyy=01とすれば車両配列は以下のようになる。


固定編成全体の編成番号は押上方向の先頭車両の車号に”F”をつけて、「31601F」、「31401F」となる。

・10030系 「11665」 この系列は直通には使われない。
1・・・・10030系
1・・・・1号車
6・・・・6両固定編成であることをあらわす
65・・・第35編成(編成番号は31から始まるので30+35=65)
車両配列は以下のようになる。


固定編成番号:11665F

《営団》
・08系 「08−101」
08・・・・08系
1・・・・・1号車 10号車は0となる。
01・・・・第1編成
車両配列は以下のとおり。


固定編成番号:08101F

・8000系 「8101」
8・・・・8000系
1・・・・1号車  10号車は0であらわす
01・・・第1号編成 99号編成まで作れる(現在19編成ある)
車両配列は以下のとおり


固定編成番号:8101F

《東急》
・5000系 「5106」
5・・・・5000系
1・・・・車両番号
06・・・編成番号
車両配列は以下のとおり


固定編成番号:5106F

・8500系 「8537」
基本の編成は
86008700+8900+8800+8700+88008700+8900+88008500
で、先頭車両の下2桁はそろえてあり、編成番号としているが中間車両では必ずしも編成番号をあらわさない。8500系は、増備が続いたため車両数が多く、番号が足りなくなって変則的な番号もあり、かなり複雑な付け方をしている。


固定編成番号:8637F


《MT比》
MT比とは、ひとつの列車編成のなかでM車(電動車)とT車(付随車)との比をいう。
たとえば、上図の8500系の電動車(赤字車号)は8両で、付随車は2両なので、MT比は8M2Tとあらわす。M車が多いほど全体の走行性能は良くなるが、最近の車両はモーターの出力が大きくなっていることや、制御技術の向上で以前より少ないM車で済むようになっていて、省エネを実現している。
新型車両の東武30000系、営団08系、東急5000系はいずれも5M5T編成で、旧型の8000系(6M4T)、8500系(8M2T)に比べてM車が減っている。