蘊蓄・鉄道コラム
スーパーあずさ

JR中央本線を走る特急「スーパーあずさ」に動きがあった。この特急列車は新宿駅と松本駅をおよそ2時間半で結び、1日に8往復が運転されている。「スーパーあずさ」の運行開始は1994年12月3日のことで、かれこれ四半世紀となるが、その間ずっとE351系電車が担ってきた。この車両は中央本線の山岳区間の急カーブを高速で走れるように、JR東日本として初めての振り子装置が採用されている。これにより、最高時速130km、急勾配・急カーブの多い区間を含んだ表定時速で90km超を達成している。急カーブで丸みを帯びた車体を大きく傾けながら走る姿が印象的だ。
E351系は松本車両センターに所属し、12両編成5本の60両で運行していたのだが、老朽化が進んでとうとう新型車両のE353系への置き換えが始まった。すでに3編成のE353系が営業運転に就いており、2018年3月にはすべてが置き換えられるという。さらに、離脱したE351系の廃車・解体も始まったようで、なんとも急な動きである。常磐線にいた651系やE653系のような第二の職場はなさそうだ。そうなるとあと2か月足らずで完全にE351系は消えてしまうのだ。
そこで、まだ走っているうちにE351系を撮り、ついでにE353系も初見参してこようと思い立ち、中央線の駅を巡ってきた。
できるだけ足まわりが見える絵にしたいと思い、大久保駅の緩行線下りホームから快速線を走る上り列車を狙ったが、恐れていた通り、下り総武線電車がホーム停車中に横を「スーパーあずさ」が駆け抜けてしまって失敗。仕方がないので新宿から折り返してくる下り列車を迎え撃つことに。複々線区間は被ることが多いので、複線区間の対向式ホームの駅にしようと武蔵境駅に決めた。上りホームの先端に行くと、なにやら注意書きがある。曰く「写真撮影は、三脚禁止、黄色の点字ブロックを越えないこと、正面からのフラッシュ禁止」などが謳ってある。どうやら撮影は禁止していないようなので安心して準備する。何本かの電車を見送ったのちに、いよいよE351系がやってきた。直線区間とあってかなりのスピードである。毎秒8コマの連写モードでシャッターボタンを押し続けるうちに走り去った。モニターで確認すると、まあまあの出来だ。このあと、およそ1時間後に上りのE353系「スーパーあずさ」が通過する。場所を変えようと三鷹駅で降りて線路際を歩いてみるが適当なところはない。次の吉祥寺駅に移動して緩行線下りホームで様子を見るが、線路が多いのでいろいろな構造物があってすっきりしない。しかし、もう時間がないのでホーム先端で撮ることにした。やがて、駅の放送が通過列車の接近を知らせると、遠くにLEDのヘッドライトをつけたE353系が現れ、ぐんぐん迫ってくる。秒8コマ連写で対応するが、じゃまなものが写り込んでしまう。しかしそんなことに構っていられないほど速い。あっという間に通り過ぎた。案の定、出来はよくないがE353系はこれからいくらでもチャンスはあるので良しとする。
このようにして、なんとかE351系の最晩年の姿を撮ることができた。
以下、これまでに撮った写真も含めて掲載します。

E351系

淡い紫色の塗装が特徴。E351系は形式番号の頭に”E”がついた形式の第1号という。それ以降JR東日本の新製車両(新幹線を含む)にはすべて”E”をつけることになったそうだ。(Eastの”E”)

車体が丸っこいのは、振り子によって傾斜したときに車両限界を超えないようにしたため、という。


新宿駅

松本駅

中野駅

八王子駅

「スーパーあずさ」19号 武蔵境駅 (2018.01.11)
E353系

「スーパーあずさ」18号 吉祥寺駅 (2018.01.11)
E353系は2015年7月に量産先行車が松本車両センターに配属され、中央本線・篠ノ井線・信越線・大糸線において性能評価と技術検証を行った。その結果を反映した量産車2編成を含む3編成が2017年12月23日より営業運転を開始した。残る2編成の完成を待って2018年3月にはすべての「スーパーあずさ」がE353系に置き換えられる。
(2018.01.23)
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