システムの形態 |
機能分散型 機能別に複数のコンピュータを分散させてその間を通信ネットワークでつなぐ形態。処理の負荷は小さくなるので比較的小型のコンピュータでよい。 個々の処理の大きさに応じたコンピュータを選べばよいのでコスト的にも有利。ネットワークのプロトコルは標準を使うのでコンピュータを選ばない。 このような環境をオープンシステム環境ともいう。オープンという意味はインターフェース仕様が公開されていて誰もが利用できるということである。 1980年代後半から始まったオープンシステムの共通項目は、UNIX、TCP/IP、GUI(Graphic User Interface)に、ハードウェアとしてはRISC(Reduced Instruction Set Computer;縮小命令セット・コンピュータ)である。 UNIXという、もともとマルチユーザーの対話型のOSに加えて、GUIが開発されてCRT画面に多くの情報を表示し、マウスによる自在のポインティング機能をもつことで、操作性と対話性が格段に向上した。これはそれまでの汎用コンピュータでは実現が難しかった機能である。 端末側にこのようなコンピュータを使い、コンピュータ間をTCP/IPネットワークでつなぐことで新しい処理方式が考案された。クライアント・サーバー方式である。端末側をクライアントといい、処理をするコンピュータをサーバーと呼んだ。つまり、クライアントが要求した仕事をサーバーが実行してその結果を返す方式である。こうすることでコンピュータの分業が図れる仕組みである。クライアント側にはユーザーとのインターフェースを行うアプリケーションプログラムが搭載されて、一般にGUIによるメニュー画面を表示し、作業の内容に応じたサーバーからの結果を表示する。 サーバーには業務処理を行うアプリケーションプログラムが搭載される。業務ごとにサーバーを分けることも多く、処理効率の向上を図る。初期のクライアントにはデータベースのハンドリングまでするような重いAPが載っていたこともあったが、最近はユーザーインターフェースのみを載せるような軽いAPとすることが多い。前者のようなクライアントを「Fat Client」、後者を「Thin Client」という。 |