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これは根源的な問題で、情報工学関連の教育を受けなくても一応仕事になる、ということが原因である。 これはオープンシステム、とくにWindowsの世界で顕著である。一般的にWindows上での開発作業はVB(Visual BASIC)などの開発ツールを使って行う。VBの使い方を知っていればそれなりにプログラムができる。 このため、開発会社はこのようなツールを教えれば初心者でも仕事をさせられる。開発ツールはプログラミングの生産性を高めるが、一方でプログラマのプログラミングスキルの向上を妨げる。プログラミングというのはプログラムを作るとともに、その動作が正しいかどうかのテストがつきものである。テストをするにはOSや周辺のソフトウェアのことがある程度わかっていなければならない。しかし、Windowsはそういったプログラマにとってはブラックボックスである。プログラムが正しく動いているうちはいいが、なにか起きるとお手上げ状態となってしまう。実際にはWindowsまわりを知った上級プログラマが支援するのだろうが人数はそういない。会社は増える仕事をさばくために初心者を承知でどんどん受け入れる。その初心者たちはスキルの向上の機会が与えられないままバグだらけのプログラムを作り続ける、という悪循環に陥っている。 こういう状況は、いまのソフトウェア開発業界の多重請けや人月単価などの諸問題の行き着いた結果である。本来、ソフトウェアの基礎はプログラミングであるが、その基礎の部分がおざなりで技術者の粗製乱造状態になっている。 |