はやぶさ2


2014年12月3日午後1時22分4秒、小惑星探査機「はやぶさ2」がH2A-26号機により、「1999JU3」という小惑星を目指して打ち上げられた。種子島宇宙センター周辺の気象状態により4日の遅れとなったが、打ち上げは成功した。いつもながら中継を見ていて打ち上げの瞬間はドキドキする。当事者の人たちはなおさらだろう。はやぶさ2はこれから3年半かけて小惑星に到達し、1年半滞在して種々の観測をし、地球に帰還するのは2020年末という。1号機と同じように小惑星の地表に降りて岩石などを採取するが、こんどは少し大がかりな方法で地表に穴をあけて資料を取ってくるらしい。

先代のはやぶさには「艱難辛苦の末に地球に帰り着いた」というドラマがあった。世間ではその感動的な記憶から、こんどもなにかあるのでは。。。という思いを抱いている向きも多いのではないか。ところが、JAXAの先生方は「こんどは感動ドラマはない」と言っている。しかし、遠い宇宙まで飛んで行って直径数百メートルの岩石の塊みたいな小惑星に降り立ち、石ころを拾って持って帰ってくる、ということ自体がドラマだ。無事に役目を果たして帰ってきたときは間違いなく感動を与えてくれるだろう。2020年末といえば、東京オリンピックの余韻もそろそろ薄れてきたころだ。はやぶさ2はその年を締める真打ちとなるかもしれない。
(2014.12.03)