PCを長く使っているとだんだん調子が悪くなってくるのが普通である。それは、ハードディスクにゴミが溜まってきてOSの動きを妨げるからである。Windowsの場合、通常はCドライブがOSの専用ディスクになっている。ここにはWindows本体のシステムプログラムだけでなく、ユーザーのアプリケーションプログラムも同居している。ほかにユーザー自身が作ったりダウンロードした写真、音楽、ビデオなどのファイルなども置かれている。最近はそれらの高画質・高音質化により、ファイルサイズが大きくなる傾向にあってOSの領域を圧迫する。このような場合は、ハードディスクを論理的に分割してシステム領域(Cドライブ)とユーザー領域(Dドライブなど)に分けたり、新たにハードディスクを増設してユーザーのファイルはCドライブに置かないようにして、ユーザー自身で管理するようにすればよい。
しかし、それでもCドライブにはゴミが溜まってゆくのだ。
Windowsやアプリケーションプログラムはその仕事中、Cドライブ上に一時的にいろいろなデータやファイルを作り出す。多くは仕事が終わればそれらを消してゆくのだが、なかには残していくやつがいる。このようなものが長い間にゴミとして溜まってディスクの領域を減らしてゆく。放っておくといつか動きが取れない状態に陥るのである。そのため、ディスククリーンアップというツールがあって、溜まったゴミを捨てられるようになっている。これを使って定期的に掃除すれば良いのだ。ところが、このツールで消すことのできるゴミは決まっていて、量的にはたかが知れているのだ。本当はもっと巨大なゴミをWindows自体が抱え込んでいるのだが、そのことをマイクロソフトは一般ユーザーに積極的には知らせていない。それはWindowsやアプリケーションプログラムの自動更新によってダウンロードした更新プログラムやログファイルを、更新作業が終わったあとも保存していることだ。自動更新はかなりの頻度で行われるために、量的にも大きくなる。それは意味のないことではなく、万一の場合に備えて保存しているのだ。したがって、ユーザーが腹をくくれば捨ててしまってもかまわない。保険のつもりで保存したければそのままにしておけばよい。そこはユーザー自身の判断に任されているのだ。こういったことを知っているユーザーは自己責任において不必要なファイルを消して、なんとかディスク容量を確保しているが、多くのユーザーは自分のPCの動きが遅くなってくるのを自覚しながら打つ手もないのが実情だろう。調子が悪くなったPCを諦めて、新しく買いなおすユーザーはきっと多いだろう。しかし、またしばらくすると同じような状態になることは目に見えている。
このようなユーザーの悩みを解消するために、ネット上ではいろいろなノウハウが公開されている。その内容はピンからキリまで千差万別で、非常に役に立つ方法がある一方、知らず知らずのうちにヘンなプログラム購入に誘導してゆくものもあるので要注意だ。Windowsのゴミ問題はかなり厄介なのだ。
(2015.08.20)