いったい、いつになったら・・・ |
いったい、いつになったら安心させてくれるのだろう。多くの日本人が期待しつづけているにもかかわらず、それがずっと裏切られているのだ。
言うまでもない。稀勢の里だ。とうとう7場所連続休場となって、ワーストワンを記録してしまった。あの劇的な横綱昇進からすでに1年以上も経っているが、その間、場所のたびに出る、出ないの判断が揺れ動いて、結局休場になってしまう状態が続いているのだ。たしかに場所前の稽古総見での様子を見ても万全とはいえないような状況だ。毎回診断書が出されているというが、いまひとつよくわからない。診断書に示されている病名と治療期間だが、内容はこの長期休場のもととなった、あのケガのままなのか、それとも新たなケガや病気なのか、といったことがよくわからない。本人は毎場所前には出場する気をみせているというが、その後の親方からの理由説明で、休場になるというパターンの繰り返しが続いている。しかし、その説明にしても、本人との話し合いの結果、休場に至ったというだけで、具体的な理由についてははっきりした説明がなにもない。それがために世間ではだんだん不信感が募りつつあるのだ。 多くの運動選手は長く休むとカン(勘)が狂うといわれる。相撲などは、ほんの数十秒という時間で勝負がつく。まさに一瞬のカンが勝敗を決するのだ。稽古の虫である稀勢の里が休場中でも稽古を怠ることはないだろうが、やはり本場所でのカンどころが長い休みの間に鈍ってしまうことはあるに違いない。簡単に言えば相撲を忘れてしまうのだ。それに伴って自信が失われることも考えられる。これを復活させるには部屋の土俵だけでなく、他の部屋への出げいこや巡業など本場所に近い環境で稽古を積む以外にないだろう。横綱になったことで責任が重くなり、ヘタに負けられないという精神的な重圧もあるかもしれない。口の重い本人がどう考えているのか、なかなか外からはわからないが、いずれにしてもそろそろ腹をくくるときが近いのではと思う。大甘と批判されている横審にもそんな雰囲気が漂い始めているという。なにしろ、ファンはなにもできないのだ。また奇跡が起きることをひたすら願うほかはない。待ちに待った久しぶりの日本人横綱をそう簡単に引退させるわけにはいかないのだ。 しかし、綱とりまでのあの長かったイライラの日々の再来かと思うと、どれだけファンをやきもきさせるのか、呆れるほどである。 ともあれ、われわれファンとしても残念ながら腹をくくる日は近いのかもしれない。 (2018.06.06) |