2020年12月、木星と土星が地球から見る軌道上で大接近するという天体ショーが演じられた。地球上では新型コロナウィルスの蔓延でパニック状態になっているなか、それは一服の清涼剤となった。
この天体現象は、397年ぶり(1603)で次回は60年後の2080年とされるので、きわめてラッキーなことだった。12月20日~23日までが見ごろというので、ぜひ観測してあわよくば写真を撮ろうと待ち構えていた。
20日の日没後に南西の低い空に輝く星があった。カメラの望遠レンズでファインダーを覗くと確かに二つの星が縦に並んでいる。下の明るいのが木星で、上のやや暗い星が土星だろう。このときはカメラの準備が不十分だったので、翌21日に再挑戦した。ちょうどその日は冬至で、16時32分の日没後の夕焼けがたそがれると再び二つの星が輝き始めた。前日には木星の真上にいた土星が右側に移動してすでに離れ始めている。翌日は曇り空のため観測不能で、23日に再度挑戦。土星はさらに離れ、木星の右下にまで遠ざかっていた。
惑星には昔から興味があって、なかでも環をもった土星の不思議な姿は、かねがね一度自分の眼で確かめたいと思っていた。シロウト写真ながら、生きているうちにこのように撮ることができたのは嬉しい限りだ。(2021.01.02) |