岳南電車-絵にならない富士山 |
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2016.05.05 |
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富士山の南麓に岳南電車というローカル私鉄が走っている。東海道本線の吉原駅を起点に富士山の裾野を東に岳南江尾(がくなんえのお)駅までの10㎞たらずの短い路線である。もともとは富士急グループの岳南鉄道の鉄道部門であったものを分離して子会社化したものという。旅客輸送のほかに、この地に多い製紙工場の貨物輸送をしていたらしいが、地方鉄道にお定まりの環境悪化に加え、主力の貨物需要の減退から貨物輸送を廃止したことで、一気に経営状態が悪化し、旅客輸送のみの岳南電車として分離・再出発した。地元の富士市などのてこ入れでなんとかしのいでいるという状態である。
岳南電車としては旅客を増やそうと「沿線のどこからでも富士山が見える!」という触れ込みで懸命に誘致しているので、それににつられて行ってみたのだが・・・
東海道線を熱海・沼津と乗り継いで吉原駅に着くと、そこはまさに富士山のお膝元だ。晴天のもと日本一の山が下界を睥睨している。早速カメラのファインダーをのぞいてみる。しかし、なんとなく「絵」にならない。雑多なモノが一緒に写り込むからだ。たしかに沿線のどこからでも富士山は見えるのだろうが、ここではむしろ、富士山は主役ではなく背景としての立場らしい。富士山を背景にした「絵」にすればいいのだろう。というわけで、JR吉原駅の西はずれにある岳南電車吉原駅に行って700円の1日フリーきっぷを買う。パンフレットは在庫切れだった。まだ連休の中日だ。もう早々となくなったというのではちょっと熱意に欠けるのではないか。
ホームに行くと同じように触れ込みにつられて電車に乗りに来たと思われる人たちがかなりいて電車を待っている。運行ダイヤをみると、およそ30分ごとに運転されている。とりあえず車庫のある駅と、すれ違い交換する駅で降りながら終点まで行ってみることにした。
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JR吉原駅 ホームで電車を待つ人たちと入ってきた電車 |
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岳南電車吉原駅
JR吉原駅から連絡橋をわたってこられるが、ICカードでは通れないので、JR北口を出て線路沿いに3分くらい歩かなくてはならない。 |
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岳南電車で使われている車両は、かつて京王井の頭線を走っていた3000系だ。全部で5両在籍する。昔は東急5000系「青がえる」もいたらしい。 |
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貨物輸送は2012年3月に終了したが、それまで貨物列車を引っ張っていた機関車が留置されている。 |
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邪魔なモノを排除しようとすると山頂部を望遠で狙うしかない |
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岳南原田駅から先は日本製紙の工場群の中にはいってゆく。いわゆる「工場萌え」をあてこんだ工場夜景電車を走らせているという。 |
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岳南原田駅に近い街なかから仰ぎ見る富士山。
さすがに高く雄大だが、醜悪な電線群が景観を台無しにしている。
乱雑に張り巡らされた電線は日本の町の風景の悪しき象徴だ。肉眼で見ている分には富士山に集中するため電線はあまり気にならないが、写真にするとまったく絵にならないのだ。 |
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周辺には何もないので折り返し電車で戻る以外にない。 |
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新幹線高架橋の向こうにやっと見える富士山 新幹線列車が通りかかってくれたら絵になったかもしれない。 |
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