瑞応山弘明寺

真言宗瑞応山蓮華院弘明寺(ずいおうざんれんげいんぐみょうじ)は1200余年前の天正天皇の養老5年(721)、インドの善無畏(ぜんむい)三蔵法師が仏教伝道のため、日本渡来のときに開創された寺である。それより17年後、聖武天皇の天平9年、諸国に悪病流行の際、僧行基が勅命により天下泰平祈願のため、全国巡錫の際、当山の霊域を感得し、草庵を造り観音様を彫刻して安置した。鎌倉時代には源家累代の祈願所とされ、江戸時代には弘明寺観音と呼ばれ、坂東観音霊場三十三ヵ所の第14番札所として信仰を集めた。本尊の十一面観音立像は平安時代の作といわれ国の指定重要文化財となっている。(弘明寺観音説明板)
およそ1300年に近い古い歴史を持ち、横浜最古の古刹だが、まことにこじんまりとしている。まっすぐ山門につづく表参道は「かんのん商店街」としてにぎわっている。山門(仁王門)をはいると右手に「子育て観音」と「六地蔵」が並び、続く急な石段の途中左手に「身代わり地蔵」が立っている。ずいぶん新しいと思ったら、これは平成13年に京浜急行が創業100周年を記念して奉納したものという。以来、弘明寺名物となっているらしい。弘明寺も古いが京浜急行も古い。(2005.02.11)
京浜急行「弘明寺駅」
各駅停車のみ止まる


仁王門

身代わり地蔵

本堂

鐘楼


山門(仁王門)
左右に仁王像が安置される


六地蔵」と「子育て観音」


仁王門から本堂へ続く石段


身代地蔵菩薩
右下の銘板には、京浜急行電鉄が創業100年を機に、市民の平安と交通安全ならびに地域の繁栄を祈願して奉納した旨が記されている。
身代地蔵菩薩は病気や怪我で痛む部分や治したい部分を手ぬぐいなどで治癒を祈願しながらさすると、お地蔵様が身代わりになって痛みを取り除いてくれるといわれている。


本堂
屋根の造りが個性的。十一面観音立像(重要文化財)を本尊として祀る。


坂東三十三観音霊場第14番札所の看板がかかる


「感應」の扁額は「弘法大師」の書とされている。
たしかに「空海」の記名があるが・・・


鐘楼
台がなく平地にあるのがちょっと変わっている。
梵鐘は寛政10年(1798)に造られたもので、横浜市指定有形文化財(工芸)となっている