米国ロッキード社が初のジェット旅客機として開発した。開発された1960年代にはボーイング社やダグラス社が大きな販売網をもっており、ロッキード社は太刀打ちできない状態にあった。とくにダグラス社は大きさも形も同じようなDC-10を製造・販売しており、L-1011の販売では苦戦を強いられた。そんななかで局面を打開するために、とくに日本の全日本空輸への販売にあたって、賄賂工作で売り込みを図ったことが疑獄事件(ロッキード事件)を引き起こすことになった。
L-1011は250機で生産を終了し、1984年にロッキード社は旅客機部門から撤退した。全日空では1995年に全機退役となった。
L-1011はDC-10と同じワイドボディーの3発機で、第3エンジンを機体後部に搭載しているのもよく似ているが、エンジン本体は機体の中に収容されているのが異なる。この方式では空気の流れが曲がるため、エンジンむき出しのDC-10より効率が落ちる、などと評論家たちの議論の的になった。
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