木曽路を歩く - 妻籠宿・馬籠宿 2013.07.07〜09
(木曽路馬籠宿から中央アルプス恵那山(2192m)を望む)
江戸時代までは、江戸を中心に東海道・中山道・日光街道・奥州街道・甲州街道の五街道が幹線道路として整備されていた。江戸と京都をむすぶ東海道と中山道では海沿いを行く東海道に対し、中山道は山また山の厳しい行脚を強いられた。街道筋には旅人の休息や宿泊の便宜を図るために宿場ができた。東海道五十三次・中山道六十九次である。明治以降になると街道に沿って道路や鉄道がつけられた。これらの道路などが発達するのに伴って、古い街道は急速に消滅していった。それでも山深い中山道の一部は使い続けられ、いまでもその姿を残しているところもある。とりわけ、木曽谷沿いの贄川(にえかわ)宿から馬籠(まごめ)宿にかけては木曽十一宿といわれる宿場がいまでも名残りをとどめていて、旧中山道も全長84kmにわたって自然遊歩道として保存されている。そのなかで京都側からの木曽路入口である馬籠宿とそれに続く妻籠(つまご)宿一帯は、国の史跡に指定されていることもあってよく知られている。馬籠峠(標高801m)をはさんで約8kmの道のりだが、木曽路のほんのさわりとして歩いてみることにした。
梅雨明け直後の猛暑日で、上り坂はかなわんと、馬籠峠からスタートし、妻籠宿を目指して山道を下ることに。峠まではホテルのシャトルに乗せてもらうというラクチン山歩きとなった。

中山道


馬籠峠
標高801m
妻籠宿まで5.5km高低差371m、馬籠宿まで2.2km高低差201mの位置にある。
峠の茶屋があるが営業していない。


山中の街道の雰囲気を残す一帯。
ここを参勤交代の大名行列や皇女和宮の行列も通ったのだ。
石畳は江戸時代からのものではないと思われるが、道を立派に見せる。


木曽は木材の宝庫。杉や桧の大木が林立する。このような森林を縫って道は続く。


倒木あり!
どかそうとかつぐ男。

森林を抜けると休憩所がある。

一石栃立場茶屋(いちこくとちたてばちゃや)跡
立場とは休憩所のこと。今は地元の人たちのボランティアで休憩所が運営されている。
外国人が立ち寄ることが多いとのことだが、この日も外国の若者たちがひっきりなしに訪れていた。聞いてみるとスエーデンやオーストラリア、ドイツなどからはるばるやってきたという。旅籠に泊って旅しているとか。おそらく清貧旅行なのだろうがたくましい。自国にはない日本の自然や古い史跡などを貪欲に楽しんでいる風に見える。あちこちで爆買いしている新興国の観光客ばかりが目立つが、このような形が本来の観光かもしれない。


一石栃白木改番所(いちこくとちのしらきあらためばんしょ)跡
山から切り出した木材を集めて不正がないかを取り締まった役所の跡。


このあたりにはクマが出没するらしい。クマに人間がいることを知らせるために鳴らす鐘が300mおきくらいに設置されている。必ず鳴らすよう注意書きがある。

男滝(左)と女滝 本道からそれたところにあるが、往時より旅人の憩いの場として親しまれたという。たしかに猛暑のなかを歩いてきた身には涼しげな滝はありがたい。この滝は吉川英二の宮本武蔵のなかにも登場するとか。

妻籠宿

1976年 国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定された。

道路こそ舗装されているが、両脇に立ち並ぶひなびた旅籠群が昔の風情を醸し出している。

今も働いている水車

高札場(こうさつば) 宿場ごとに奉行所からの触書を掲げた。当時は無筆者が多かったので、正月には住民を集めて庄屋が読み聞かせることが義務付けられていたという。

本陣 1995年復元。本陣とは勅使や宮家、大名、幕府役人などの宿泊所として、宿場ごとに設置された施設。一般人の宿泊は許されていなかった。

脇本陣 本陣の予備的施設。大きな藩で本陣だけでは収容しきれないときや、藩同士が鉢合わせになった場合に格式の低い藩の宿として使用された。空いているときには一般人にも提供されたという。この脇本陣は1877年の建築。

こんな連中もいた

馬籠宿
馬籠宿は街道が山の尾根に沿った急斜面を通っているため、その両側に石を積んで家屋敷を造っている。宿場全体が坂にあるという独特の姿をしている。宿場には本陣・脇本陣をはじめ、荷物の運搬を差配する問屋のほか、旅籠18軒、飯屋、馬宿などがあってにぎわったという。明治になって国道が木曽川沿いに開設され、さらに国鉄中央線が開通したことで宿場としての使命を終えた。明治28年と大正4年の2度にわたる大火で江戸時代の遺構のほとんどを焼失したため、現在の建物はその後に建てられたものである。そのため、妻籠宿に比べると観光目的の整然とした家並みや町並みとなっていて古い風情に欠ける。

始めから終わりまでこのような石畳の坂が続く。

坂の両側には飲食店や土産物店が軒を連ねて、いかにも観光地然としている。

馬籠脇本陣史料館 

藤村記念館 島崎藤村の生家で馬籠本陣・島崎家があった場所に建てられている。

馬籠郵便局

水力発電所 発電量300kw/hで24時間運転という

ホテル木曽路