九品(くほん、くぼん)について

仏教では人間をその能力や信仰の度合いによって9つの段階に分ける。まず、上品(じょうぼん)、中品(ちゅうぼん)、下品(げぼん)に分け、この3つをさらに上生(じょうしょう)、中生(ちゅうしょう)、下生(げしょう)に分類する。一般に人を上品(じょうひん)とか下品(げひん)というのはこの九品に由来する。
阿弥陀如来は、人の臨終に際して極楽浄土から迎えに来る(これを来迎(らいごう)という)が、そのときに阿弥陀如来はこれから亡くなる人がどの段階の人かを見極めるという。つまり上品上生から下品下生までのいずれかにランク付けするわけである。そしてそれを手の形や組み方、つまり「印(いん)」としてあらわすという。これを「九品来迎印(くぼんらいごういん)」といって阿弥陀如来に特有の印である。

九品来迎印
「仏像がわかる本」PHP文庫から