お面かぶり (都指定無形文化財)

3年に一度、8月16日に行われる九品仏独特の行事で、正式には「二十五菩薩来迎会」といい、文政10年(1827)に始まったといわれる。
これは、臨終を迎えた念仏行者の枕元に菩薩を従えた阿弥陀如来が訪れて浄土に導くという浄土宗の教えを劇化したものである。
本堂を現世(此岸)に、三仏堂中央の上品堂を彼岸に見立て、その間に木製の橋を架け、面をかぶって阿弥陀仏と二十五菩薩に扮した信徒たちが橋の上を3回(来迎、往生、還来(げんらい))行き来(1往復半)するものである。
「来迎」は三仏堂から行者を迎えに本堂へ渡り、「往生」は往生人になぞらえた珂碩上人像を伴って三仏堂へもどる。3回目の「還来」は面をとって再び本堂へ向かうが、これは此岸にもどって世のため人のためにつくすということをあらわすという。現在この来迎会は淨眞寺だけでおこなわれる希少な行事である。

平成8年撮影
三仏堂(彼岸)から菩薩たちが本堂(此岸)の行者を迎えに行く。
面をつけると足元が見えないため付き添いが必要。暑いので団扇であおぎながら練り歩く。

菩薩たちは往生人を伴って三仏堂(彼岸)にもどる。    

往生人になぞらえた珂碩上人像が三仏堂(彼岸)に向かう。

平成17年(2005) 「お面かぶり」