Felix Mendelssohn-Bartholdy
肖像画
WIENER PHILHARMONISCHER
VERLAG 社発行の「フィンガルの洞窟」スコアから


メンデルスゾーン(1809-1847)はドイツロマン派の作曲家ですが、正式には、ヤコブ・ルートヴィッヒ・フェリックス・メンデルスゾーン・バルソルディというおそろしく長い名前を持っています。ハンブルグの銀行家の家庭に生まれ、38歳という若さで急逝するまでの生涯を裕福な恵まれた環境で過ごしたといわれます。モーツアルトにひけをとらないほどの音楽的な早熟を示し、天才音楽家として多くの作品を残しましたが、作曲家以外にも多くの業績があります。とくに著名なものはオーケストラにおける指揮者という職務を明確にして、現在に至る指揮法を確立したことです。また、現在のライプチッヒ・ゲバンドハウス管弦楽団を創立して自ら指揮者として、またピアニストとしてバッハやベートーベンを始めとする古い価値のある音楽を積極的にとりあげて演奏活動をするという、いわばクラシック音楽というジャンルを確立した功労者でもあります。

メンデルスゾーンといえば、「結婚行進曲」がもっともポピュラーですが、これはシェイクスピアの戯曲「真夏の夜の夢」にメンデルスゾーンが音楽を付けた同名の劇音楽の中の一曲です。メンデルスゾーンにはピアノ曲、歌曲、室内楽、交響曲、管弦楽曲、協奏曲、宗教曲などあらゆる種類の作品があります。