Johannes Brahms

ブラームス(1833~1897)
悲劇的序曲 作品81

ブラームスには演奏会用序曲といわれるものが2曲あります。「大学祝典序曲」と、この「悲劇的序曲」です。この2曲は1880年の同時期に作曲されましたが、そのいきさつが伝わっています。学生歌を使ったり、さまざまな技巧を凝らして陽気な大学祝典序曲を書いたが、それに加えて、同じように悲劇的序曲も書かないではいられなかった、というのです。つまり、「一方は涙を誘い、もう一方は陽気な笑いを誘う」ような楽曲をセットにしたかったらしいのです。それでいて、ドラマティックで悲劇的な序曲のほうはタイトルがなかなか決まらず、悩んだ挙句に結局そのものずばりの「悲劇的序曲」に落ち着いたという、何か間の抜けた話ではあります。初演後の評価はあまり芳しくなかったようですが、次第に好まれるようになって表題も曲にふさわしいものになっていったとされています。そう言われても、それほど悲劇的と感じないのはブラームス先生の作品に対する理解不足かもしれませんが。。。

楽器編成:
ピッコロ1、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、バスーン2、フレンチ・ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバ1、ティンパニー、弦楽五部。

Allegro non troppo
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