ベートーヴェン(1770~1828)
交響曲第5番ハ短調 作品67

ベートーヴェンといえば、まずこの曲でしょう。あらゆる交響曲のなかでもっとも有名な交響曲。「運命」と呼ばれるこの曲はベートーヴェンの最高傑作であると同時に、音楽史上の金字塔でもあります。

「運命」と言われるのは、ベートーヴェンの側近であったシントラーが著わした「ベートーヴェン伝」のなかで、曲の冒頭に出てくる「タ・タ・タ・ターン」という4つの音を「運命はこのように扉をたたくのだ」とベートーヴェンがシントラーに説明した、と記していることからきています。このことから、この4つの音は「運命の動機」と呼ばれますが、とくに第1楽章ではいたるところにこの動機が現れ、全体がこの動機で統一されてきわめて緊密な構成となっています。
ただし、ベートーヴェンはこの動機に関して運命云々と説明したのであって、この曲全体を「運命」と名付けていたわけではありません。しかし曲全体に漲る緊張感はそういったものを十分に感じさせます。

「苦悩や闘争を通して喜びや勝利を得る」というのがベートーヴェンの哲学ですが、聴力を失うという、音楽家にとって最も過酷な運命に正面から向き合い、苦悩しながら独自の道を切り拓いていったベートーヴェンが到達した境地なのです。その音楽には常に力強さがあります。そしてそれらを聞くときにはいつも勇気づけられます。この第五交響曲はそういった音楽の代表作です。

全曲は4つの楽章から成っています。第1楽章のいきなり叩きつける運命の動機には、おそらく当時の聴衆は度肝を抜かれたことでしょう。第2楽章は緩やかなテンポの変奏曲。第3楽章には再びホルンによる運命の動機が現れます。第3、第4楽章は切れ目なく続けて演奏されますが、第3楽章の終わりの40小節近くを、重く緊張したフレーズが続いたあと、急に日が差し込んできたように明るくなって、フルオーケストラで最終楽章に突入します。ここでハ短調からハ長調になって、あたかも勝利を謳歌するような堂々たる音楽になります。この第五の最大の山場です。この部分は聴いていて本当に高揚します。そして終わりそうでなかなか終わらない有名なコーダ(結尾)で力強く終わります。

楽器編成:ピッコロ1、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、バスーン2、ダブルバスーン1、ホルン2、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニー、弦楽五部。

第1楽章 Allegro con brio
8’15”
第2楽章 Andante con moto
9’38”
第3楽章 Scherzo:Allegro
4’48”
第4楽章 Allegro
8’31”
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