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ベートーヴェン(1770~1828)
交響曲第7番イ長調 作品92
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べートーヴェンの作った9曲の交響曲はそれぞれが独自の性格を持っていることはよく知られてます。面白いことに初期の第1番を除くと、偶数番号の曲は優しく、軽快なのに対して奇数番号の曲は力強く、豪放な音楽となっています。ベートーヴェンが意識的にそうしたのかはわかりません。いずれにしてもそれぞれはベートーヴェンらしさというものを感じさせる珠玉の音楽たちです。
第7番の交響曲は最近、”ベト7”などと呼ばれてロック好きに人気があるそうですが、この曲の持つ躍動感、リズム感が受けているのかも知れません。それほど全曲にわたって躍動感が漲っています。しかも、4楽章がそれぞれに違ったリズム形をとっており、緩徐楽章である第2楽章でもイ短調の哀愁をおびたメロディーの裏ではしっかりとリズムが刻まれています。
このため、音楽のテンポは速く、演奏者泣かせのスタッカートとスフォルツァンド(sf)の連発で息つくひまもありません。有名な指揮者が「この曲を指揮することはほかのいかなる曲よりも精神的な疲労を来す」と嘆息したというくらいの難曲なのです。
MIDIファイルを作るのも大変で、第3楽章では指定されたテンポがあまりに速いのでコンピュータのクロックが限界で、やむを得ず拍子を半分(3/4から3/8)にしてようやく所定の速さにできたというありさまです。音楽的にはおかしいのですが、しかたありません。
このような難曲を苦労して演奏しているのを見て、ベートーヴェン先生天国で「してやったり」とほくそ笑んでいるかも知れません。
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楽器編成:
フルート2、オーボエ2、クラリネット2、バスーン2、フレンチ・ホルン2、トランペット2、ティンパニーに弦楽五部。
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