チャイコフスキー (1840~1898)
「くるみ割り人形」組曲 作品71a

「くるみ割り人形」は「白鳥の湖」、「眠れる森の美女」とともにチャイコフスキーの作曲した3大バレエ音楽のひとつとして、よく知られています。1891年から1892年にかけて作曲され、初演は1892年3月にペテルブルグで作曲者自身の指揮により行われて大好評であったといわれています。しかし、同年12月のバレエの初演時には不評だったらしく、音楽評論家の故堀内敬三氏によれば、これは演出者が急病のため代理をたてたものの、うまく上演できなかったこと、第1幕で子供が大勢ドヤドヤ登場するのが当時のバレエ観客に受けなかったことや、金平糖の精になったバレリーナが技術は巧みだが美人ではなかったこと。つまりチャイコフスキーの音楽とは無関係の理由によるものとされています。

このバレエはドイツ・ロマン派の文豪ホフマンの童話「くるみ割り人形とねずみの王」のフランス語訳である、デュマの「くるみ割り人形物語」を題材にしています。クリスマスに、くるみ割り人形を贈られた少女がその夜に見た夢の話で、おもちゃたちとねずみの大群の戦争が始まり、くるみ割り人形とねずみの王との一騎打ちになって、少女が投げたスリッパでねずみの大群が退散すると、その瞬間くるみ割り人形は王子に変身。王子は危機を救ってくれた少女を、お菓子でできた自分の城に招待し連れて行くという、ヨーロッパの典型的なおとぎ話です。

組曲は全15曲のなかから8曲を選んで編集したもので、いずれも魅力的な性格をもった音楽からなっており、名曲の多いチャイコフスキー作品のなかでもとくに愛好者の多い音楽です。

楽器編成は、フルート3(第3はピッコロ持ち替え)、オーボエ2、イングリシュホルン1、クラリネット2、バスクラリネット1、ファゴット(バスーン)2、フレンチ・ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバ1、ティンパニー1人(3個)、打楽器1人(シンバル、トライアングル、タンブリン、鉄琴)、チェレスタ1、ハープ1に弦楽合奏という非常に大規模な編成となっています。譜面も最大20段もあって複雑ですが、それぞれに色彩豊かな音を作りだしています。

小序曲
2'58"
行進曲
2'27"
金平糖の精の踊り
1'46"
ロシア舞曲「トレパーク」
58"
アラビヤの踊り
3'31"
中国の踊り
1'03"
葦笛の踊り
2'20"
花のワルツ
6'21"
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