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長崎市には路面電車があるが、公営交通ではなく、長崎電気軌道という民営の事業体が運営している。電気軌道という古めかしい社名のとおり、設立は1914年(大正3年)というからすでに100年を超えている。現在、5路線で総延長11.5kmとなっていて日本最西端の路面電車である。長崎電気軌道という呼び方のほか、一般に「長崎電鉄」と呼びならわされているという。
今回、この長崎電鉄の様子を見るべく長崎に赴いた。東京から長崎まで行くには空路で1時間50分ほどだが、せっかく九州に行くので在来線特急にも乗ろうと思い、羽田から福岡まで空路、博多から「特急かもめ」で長崎を目指すことにした。
7:25羽田空港発JAL305便で9:10福岡空港着
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JR博多駅は福岡空港から地下鉄で2駅という至近距離にあって至極便利だ。ホームの構成は新幹線3面6線(3F)と在来線4面8線(2F)となっている。10:55発の特急かもめ17号に乗ると12:50に長崎に着く。発車までの間、在来線3-4番線ホームをぶらついて暫しウォッチングする。
JR九州の電化路線はすべて交流である。そのため九州管内で運用される車両は交流仕様で外形も独自のデザインがされたものが多い。とくに特急列車は本州では見られないようなユニークで多彩な車両が使われている。車両の形式番号は交流式を表す700または800番台がつけられているが、これは国鉄時代から続く全国共通の付番方式である。最近ではJR四国のように独自に4桁の番号を使う例もある。 |
783系特急形電車。1988年にJR九州として独自に開発した特急用車両で、JR発足後の最初の新型車両だった。かつては「つばめ」や「かもめ」などの特急として使用されたが、現在は「ハウステンボス」↑と「みどり」↓の専用車両となっている。 |
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787系特急形電車
1992年に登場し、2002年までに140両が製造されてJR発足後の特急形としては初めて100両を超えた車両。当初は特急「つばめ」や「有明」に使われていたが九州新幹線の一部開業に伴い「リレーつばめ」に転用され、その後新幹線全通により「リレーつばめ」は廃止されて現在は九州全域の特急列車にあてられている。そのため、「AROUND THE KYUSHU」のロゴが表示されるようになった。
787系はそれまでの国鉄風のデザインから大きく変わった独特の作りで世の中の度肝を抜いてきたJR九州の戦略車両の第一陣だ。デザインは水戸岡鋭治率いるドーンデザイン研究所というところが担当したが、その後、九州の鉄路には水戸岡デザインの車両があふれかえることになる。 |
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885系特急形電車
長崎行きの「特急かもめ」用に作られた振り子式車両。水戸岡デザイン。 |
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813系交流近郊形電車
九州北部地域の鹿児島本線、日豊本線、長崎本線などで運用される。赤と黒の塗装は水戸岡デザインの特徴のひとつ。 |
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415系交直両用近郊形電車(右)
JR九州唯一の交直両用車両。関門トンネルを抜けて山陽本線との直通運転のため、直流区間も走れる交流・直流対応の車両を配置している。415系(1500番台)は国鉄民営化直前の1986年から製造された車両で、当初JR東日本の常磐線向けであったが、JR九州向けにも4両編成13本が製造された。 |
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駅入り口 はいって右側に改札口がある。 駅前はタクシー乗り場で歩行者用デッキにあがると路面電車停留場につながる。 |
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長崎市の路面電車は長崎電気軌道株式会社が運営している。私企業の軌道事業者としては九州で唯一。
本線のほか4支線を持ち総延長11.5km、軌間1435mm、直流電化(600V)、複線(支線の一部を除く)。運賃は全線片道120円、一日切符は500円。運転間隔も密で市民の重要な足としての役割を果たしている。この路面電車で長崎市内の見どころはほとんどカバーできるので、旅行者にとってもきわめて便利な足だ。 |
現有車両は新旧とりまぜて75両。外観も様々、塗装もいろいろな電車が行き交う。 |
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長崎駅前停留場 歩行者用デッキから各ホームに降りられる。 |
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1800形1803号車 2002年製造 長崎駅前停留場 |
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1800形1802号車 2000年製造 長崎駅前停留場 |
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1200形1201号車 1982年製造 長崎駅前停留場 |
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201形201号車 1950年製造 1973年ワンマン化 1987年冷房化 長崎駅前停留場 |
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500形506号車 1966年製造 1968年ワンマン化 1984年冷房化 出島付近 |
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5000形5001号車 超低床型車両 2011年製造 築町付近 |
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360形364号車 1961年製造 1969年ワンマン化 1983年冷暖房化 築町付近 |
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300形302号車 1953年製造 1973年ワンマン化、近代化改装、冷房化 築町停留場 |
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360形367号車 1961年製造 1968年ワンマン化 1981年冷房化
大浦天主堂下停留場 この区間は単線となっている |
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1500形1505号車 1995年製造 思案橋付近 |
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中島川を渡る1200A形1202号車と1205号車 1982年に1200形として5両製造されたが、そのうち1201号車を除く4両については2003年に足回りを更新するなどのリニューアル工事が実施され形式も1200A形と改められたという。 |
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動画
3000形超低床型電車
西浜町
(スタートを押してください)
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電車線路を俯瞰する。
本線(上)の出島-築町間で大浦支線(下)が合流している。
(長崎バス・ターミナルホテルから撮影) |
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合流地点から築町停留場(右方)に向かう本線上の電車 |
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とりあえず、定番の名所を回ろうとしたが、なにしろ暑い!冷房の効いた電車をできるだけ駆使することにして1日切符を買った。車内では売っていないため、長崎駅構内の観光案内所で入手。これは500円だが、通常運賃は120円なので5回乗ればモトはとれる。幸い電車は頻繁にやってくるのでマメに乗り降りしながら効率よく移動することができる。それでもやはり炎天下を歩くこともあり、結局汗だくの街歩きとなった。
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市内を流れる中島川には有名な眼鏡橋を含む多くの古い石橋がかかる一帯がある。1634年(寛永4年)に眼鏡橋が最初の石橋として架けられて以来、17世紀末までに中島川と直交する道路筋のほとんどに石橋が架けられ、かつては19の橋が架けられていたという。しかし、度重なる水害により損壊・流失と再建の繰り返しだったようで、とくに1982年の長崎大水害では眼鏡橋ほか7橋が被害を受けた。その後復元・改修されて現在に至っている。 |
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眼鏡橋 長崎大水害で一部損壊したがもともとの石橋として修復・復元された。被害を受けた8橋のうち石橋として復元されたのは3橋だけで、あとはコンクリート橋となったという。
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1945年8月9日に投下された原子爆弾の爆心地と隣接する地域に平和を祈って設けられた。 |
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平和の泉 |
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←平和祈念像 |
この像は、神の愛と仏の慈悲を象徴し、高く掲げた右手は原爆の脅威を、水平に伸ばした左手は平和を意味し、軽く閉じた目は原爆犠牲者の冥福を祈っている、という。 |
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原爆落下中心地公園 |
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爆心地 左の黒い塔が原爆落下中心碑、この上空500mで原爆は炸裂したという。右は浦上天主堂の遺構。 |
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港内を望む。正面は五島列島などとを結ぶ客船ターミナル。 |
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対岸に三菱重工の長崎造船所がある。おりしもミサイル護衛艦(イージス艦)「あしがら」が停泊していた。同艦は佐世保基地所属だが、なにか補修中なのだろうか。 |
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出島といえば子供のころから下の絵のような扇型の島というイメージを持っていたが、まったく島の面影はない。明治になってから恐ろしい勢いで周囲は埋め立てられ、完全に内陸化してしまったためだ。しかし1951年ごろから復元事業が始まり、2050年を目指して元の海に浮かぶ島を復元しようとしている。まさに100年の大事業である。 |
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出島側から内陸側を見る。隔てている川は中島川で、わずかにカーブしているのは昔の名残りか。上の写真の中央の黒い橋は表門橋として建設中。ただし復元といっても現代風の鉄橋である。なお、出島内では当時の諸施設の建物が復元されており、資料館などとして公開されている。 |
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マツヤ万年筆病院
あらゆる万年筆の修理をしてくれるという文具店。日本中から送られてくる、こわれた万年筆を店主であるオヤジさんが神業で修理するというテレビ番組を見たことがある。 |
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長崎カステラの元祖「文明堂」総本店
1900年(明治33年)創業したが1928年に現在の大波止店を新築して本店としたという。 |
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珍品発見! 骨董屋店頭
米国Nationai Cash Register(NCR)社の機械式レジスター(日本語で金銭登録機と言った)
3桁フルキーレジスターといわれるもので20世紀初頭の製造と思われる。 |
(NCR社HPから転載) |
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私設のオランダ坂?
やはり坂の町だ。ちょっとした横丁はこうした階段や坂が待ち受ける。 |
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大浦天主堂
1865年創建、原爆被災のあと1947年から1952年にかけて修復工事が行われ、翌年に国宝に指定された。 |
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帰路は19:10長崎空港発ANA670便で羽田空港21:00着
機材がB737からB787に変更になり、初めて乗るので楽しみにしていたB737がフイになった。ANAは機種変更がたびたびある。 |
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