王子・尾久・田端界隈
東京都北区には上信越・東北方面に向かう幹線鉄道が通っているが、その沿線の王子・尾久・田端地区にはJR東日本の尾久車両センター、田端運転所、新幹線基地とJR貨物の田端機関区の広大な鉄道車両基地が広がっている。
上野駅から複々線で出発した東北本線は西日暮里駅あたりで東(尾久支線)と西(本線)に分かれ、この広大な車両基地を挟み込むように、そのへりを通って王子駅手前で再び合流する。西側の本線に並行して京浜東北線と新幹線も走っていて、このあたりは鉄道線路の密集地帯となっている。東西を走る線路に挟まれたこの一帯は車両基地と人の住む街とが同居している珍しい地区である。同じような鉄道密集地帯は品川から田町の間にもある。東海道本線の上下線に挟まれた田町車両センターである。しかしここは周辺地域と完全に隔離していて一般の人間が立ち入れない別世界である。これにひきかえ、王子から田端にかけては街の中に鉄道風景がいくつもある。実際行ってみると、道路わきから車両基地が見渡せたり、跨線橋や踏切りから走る列車を見ることができる。列車が通るたびにかなり騒音がひどいのではないかと思われるほどに線路際まで人家が建て込んでいるところもある。それだけ鉄道が街に溶け込んでいるのである。(衛星写真

北区ではこのJR車両基地のほかに都電荒川線も含め、このような鉄道風景を案内する「北区鉄道VIEWマップ」を作って鉄道ファンのみならず一般の人たちの利便を図っている。(北区のホームページから入手できる)
そのマップ片手に王子から尾久、田端の鉄道風景を探して歩いてみた。。。
(2009.05.03)

都電荒川線は専用軌道区間が長いために廃止を免れた唯一の路線。飛鳥山駅に到着した早稲田ゆき電車。

飛鳥山駅から王子駅までは明治通りに出て路面電車として走る。飛鳥山駅から左折し、道路上で信号待ちをする三ノ輪橋ゆき電車。

飛鳥山裏の跨線橋から新幹線を見るが、防護壁に遮られてあまり面白くない。
この跨線橋は京浜東北線、東北本線(宇都宮線・高崎線の列車が走る)をまたぎ、新幹線の高架をくぐり、さらに尾久支線をまたいで北区栄町方面に行くことができる。

京浜東北線の北行き電車。後方に見える駅は上中里駅。比較的良い撮影ポイント。
線路はこのさき東北本線をオーバークロスして入れ替わり、王子駅では東側になる。

東北本線の線路を下り列車が通過する。右側2線が本線で、左側は回送線。
下り線はこのさきで京浜東北線をアンダークロスして東側の線路と合流して複々線になる。

跨線橋を降りたところに東北本線尾久支線(本線と同じく高崎線・宇都宮線の列車が走る)の王子第二踏切りがある。下り特急「草津」が通過する。

同じ踏切り 上り列車が通過する。
下り線は先方の京浜東北線ガードをくぐって本線と合流し、ふたたび複々線となる。
尾久車両センター近くの「上中里さわやか橋」 
直下に踏切があるので、渡る目的より線路を見るための展望台と思われる。

跨線橋からのながめ。王子方面を望む。遠方緑地は飛鳥山。
線路沿いに人家が建ち並ぶ。

JR東日本尾久車両センター
もともとは尾久客車区で客車中心の車両基地。しかし客車列車の激減によって在籍する車両も少なくなった。主なものとしては寝台特急の「カシオペア」、「北斗星」の客車とハイグレード列車”E655系”電車が所属する。

尾久車両センターの端を行く東北本線尾久支線の下り列車。

JR貨物田端機関区
このように道路から直接見渡せる。

電気機関車が多いなか、ディーゼル機関車も配置されている。

全体にフェンスや柵などに阻まれて車両の写真は撮りにくいが、このように接近できるところもある。

防護フェンスを隔てて、JR東日本東京新幹線車両センターがある。
ここでは東京、上野発着列車の留置・検査・修繕・清掃作業を行うが車両は配置されていない。

新幹線基地はどこでもそうだが、容易に近づけないので車両の写真は撮りにくい。
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