東京メトロ13000系に遭遇! |
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東京メトロ日比谷線に13000系電車が走り出した。1961年開業時の3000系以来03系に次ぐ3代目の新型車両である。 六本木の美術館に行く途中、中目黒駅で遭遇した。ひょっとして出会うといいなと思っていたら、ちゃんと引き上げ線で折り返しの待機をしていたのだ。「しめこのウサギ!」とばかりに東横線電車を降りて、入線してくる様子を撮ろうとホーム先端に駆けつけ、スマホを構えたのだが、最近機種変更をしたスマホで慣れていないこともあって手間取り、結局正面から向かってくる電車は撮り損ね、ホームに停車した電車の最後尾を撮影した。いわゆる後打ちである。 すぐに発車というので、とりあえず乗車。真新しい車内はピカピカで、全部のドアの上には大型の液晶パネルが3面ずつ並んでいたり、連結部の貫通ドアは全面ガラス仕様、荷棚もガラス張りなど目新しい内装は多いが、まず感じるのはやはり走行中の騒音が少ないことだ。これは操舵台車(*)という台車を履いているためだが、日比谷線特有の急カーブでの車輪とレールの「キーッ」という摩擦音がほとんどないのだ。とくに乗車した区間のうち恵比寿−広尾−六本木間は急カーブが連続する区間なので、注意していたが嘘のように静かに走行した。やがて六本木に着いて降りたが、たまたま反対側線路を03系電車がレールを軋らせながら入ってきた。13000系の新しい台車の効果は歴然としていた。 この操舵台車は同じく急カーブの多い銀座線で新型の1000系に初めて採用されたが、騒音対策だけでなく、いわゆる小回りが利くために、03系では18mであった車両長を13000系で20mにすることができたという。日比谷線における18m車にするか20m車にするかの因縁話はよく知られているが、その後の環境変化によってようやく20m車に決着がついた格好だ。これにより、18mの3ドア車や5ドア車が混在していたのが20m4ドア車に統一され、ホームドアの設置などの目途もついたという。車両長が20mになったことで、1編成が8両(144m)から7両(140m)になった。 東武鉄道も13000系に合わせて日比谷線専用の新型車両70000系を導入し、近々営業運転が始まる模様だ。13000系と基本仕様は統一され、操舵台車も採用しているらしい。そのうち中目黒にもやってくるだろう。
(*)操舵台車とは? 車両1台につき2基の台車があり、それぞれ2軸の輪軸がついている。この輪軸は台車の枠に固定されていてカーブを通過するときは、レールのカーブに沿って台車ごと旋回し進んでゆく。このとき、カーブの外側レールには車輪のフランジとの間で横向きの摩擦が生じ、抵抗力や騒音が生じる。摩擦はカーブが急であるほど大きくなるので、速度が制限されることにもなるのだ。そこで、輪軸を台車枠から独立させて車輪が常にレールに沿った動きをするようにすること(操舵)で、この問題はほぼ解消できるという。新台車は東京メトロと台車メーカーの新日鐵住金との共同開発によるもので、平成27年度全国発明表彰において発明賞を受賞した。実際の台車では2軸のうち内側の1軸を操舵軸として、もう1軸は固定で駆動装置を搭載している。したがって、1車両では4軸のうち外側2軸は動輪で、内側2軸は操舵輪となる。1編成7両はすべてこの構成になっており、1車両の動輪率は0.5M(東京メトロでの表現)であることから1編成のMT比は3.5M3.5Tとなる。といっても全車両が電動車両なので、オールM編成ということもできるだろう。 (2017.04.22) |
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