撮り鉄騒動
このところ、撮り鉄のマナー違反がたびたび報道されているが、その多くは禁止されている鉄道施設への無断侵入というものだ。それがとうとう当局による書類送検という事態にまで発展した。そのひとつの事例は、鉄橋上で電車の運行を止めてしまい、30分間停車させたというものである。具体的には2021年3月9日、廃車に伴って長野の基地に回送される特急「踊り子」号などで活躍したJR185系車両が中央線の立川駅と日野駅の間にある多摩川橋梁を通過する際に起きた。機関車に牽引された185系の姿を撮影するために、複数人が線路際の土手を登って線路に近づいた。そこに通りがかった別の電車の乗務員がそれを発見して危険防止のために緊急停車させ、そのまま30分間橋上に停止したのである。電車が急停車したのを見て撮影していた者たちはチリヂリに逃げたというが、千葉市と愛知県瀬戸市に住む20代の男2人が捕まった。日野警察署は2021年9月9日に、JR東日本の敷地に無断で侵入したとして鉄道営業法違反で書類送検をしたのだ。二人はいずれも撮り鉄が趣味で、瀬戸市の男は「高く売れる写真を撮ろうと思った」と話したという。金儲け目的だったわけだ。

そして2021年9月中旬、埼玉県警がなんと!国会のセンセイ(〇産党参議院)を同じ容疑(鉄道営業法違反(鉄道地内立ち入り))で書類送検した。昨年11月3日の話だが、埼玉県長瀞町の秩父鉄道の線路内に許可なく立ち入った疑いである。この日は電気機関車を臨時運転するイベントが開かれ、県警が鉄道ファンの悪質行為を警戒していたという。本人は「線路を渡ったということは事実であって、軽率な行為だったと反省している」「通行可能な道だと勘違いをしていた」と説明している。
鉄道好きのセンセイは石〇、前〇が有名だが、〇産党にもいるというのは、なんとなく意外だし違和感を覚える。

過熱気味の撮り鉄騒動だが、電車を止めるに至っては、迷惑などと言うより明確な列車妨害である。悪質なものはどんどん検挙すべきだし、鉄道会社は電車を止めたことによる損害賠償を請求すべきである。こういった過熱状況は、撮った写真や映像をSNS上に投稿してアクセス数を稼いだり、上記のように売却を目的とすることが原因である。カネ目当てのいわゆるパパラッチ化しているのだ。プロの写真家やフツーの撮り鉄にとっては大迷惑である。
(2021.09.23)