モハ、クハ、サハ



JR在来線の車両にはこのような、暗号みたいな文字と車号が併記されている。これは、この車両がどんな車両であるかを示している。

「モ」は電動車、「ク」は制御車、「サ」は付随車であり、「ハ」は普通客車のことである。つまり、
「モハ」はモーター付き普通客車(電動客車)
「クハ」は運転台付き普通客車
「サハ」は普通客車(付随客車)
をあらわす。

車両の等級はかつて1等から3等まであって、それぞれ「イ」「ロ」「ハ」であらわしていた。いまはグリーン車と普通車しかないので、本来2等車だった「ロ」をグリーン車、3等車の「ハ」を普通車に使っているのである。

だから、グリーン車の付随車(モーターがついていない)は「サロ」という。また、運転台付きの電動車は「クモハ」とつける。同じように、「クロ」、「モロ」などもある。
ディーゼル車には、気動車の「き」をとって、「キハ」とつける。

一方、私鉄でも同じように車種をあらわしているが、「モハ」のかわりに「デハ」を使うところや、単に「モ」「ク」「サ」とするところもある。そのほか、このような文字を使わず、車号で車種をあらわすことも多い。
私鉄の場合には、車体側面には車号だけで、このカタカナ表示はあまり目に触れない車体の妻面の下のほうに書いてあることがある。