八高線は途中いくつかの他線と交わる。前述した、拝島で青梅線、五日市線、西武拝島線、東飯能で西武秩父線、高麗川で川越線のほかに、高麗川以北では越生で東武越生線、小川町で東武東上線、寄居では東武東上線と秩父鉄道、といった具合である。いずれも電車線である。非電化を貫いているのはわが八高線だけである。しかし、交わる他線もこの辺に来ると立派なローカル線だろう。小川町駅で横に並んだ東上線の池袋行きの長大編成の電車は、なにか持て余しているようにも見える。そう考えると逆に八高線は非常にリーズナブルである。
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キハ110は快調に走る。エンジンをふかしているときもそんなにうるさくはないが、惰性で走るときはきわめて静かである。それに、揺れもほとんどないのは保線がいいからだろう。これまでの気動車のイメージを大幅に変える走りである。ふと、外を見ると鉄道マニアが線路近くの道に三脚を立ててレンズを向けていた。かなりの山あいだったがご苦労なことだ、と思ったらこんどは線路際の斜面に陣取っている猛者もいる。多分このあたりは撮影ポイントとして絶好なのだろう。同好の士としては気なるところである。 |
N君とは久々に逢ったので、昔のことやらいろんなことを話し込んでいるうちに、景色は山あいから平野に変わって単調になってきた、と思ったら群馬藤岡駅に着いた。早くも群馬県に来てしまった。やがて前方に新幹線の高架橋が迫ってきて、この下をくぐると高崎線に合流する。本来の八高線の終点である倉賀野駅を過ぎると終点高崎である。高崎駅までの間にJR貨物のヤードの横を通る。けさの八王子をしのぐ大規模なヤードである。EF65などの電気機関車の群れが休んでいる。車窓からの撮影は無理なのであきらめたが、かなりの迫力だ。
13:05定刻通り高崎到着。2時間19分の八高線の旅はあっけなく終わった。
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ひとことで言うと、まことに快適な旅だった。これまでのローカル線の、遅い、車両が古い、線路状態が悪くてゆれが大きいなどというイメージは良い意味で裏切られた。それは車両や保線など技術的な面での進歩が大きいが、JR東日本が進めてきたローカル線のサービス改善努力の結果でもある。国鉄時代には考えられなかったことである。民営化はやっぱり必要なのである。
しかし、沿線地域の産業や過疎化などから集客についてはいかんともしがたく、結果として運転本数が限られてしまっている。八高線のローカル度というのは唯一運転本数が少ない、ということになる。電化されていないことなどはまったく問題にならない。むしろ東京近郊区間中唯一の非電化路線として希少な存在をもっとアピールすればよいと思う。
それに、キハ110を使って八王子から高崎までの直通列車を運行すればよい。ダイヤ的には十分な余裕があるのだから。
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高崎では高崎白衣大観音をお参りし、17:14高崎発の湘南新宿ライン国府津行きにて帰途につく。
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