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高野山から吉野へ行くには、高野山駅から山を下って橋本駅でJR和歌山線に乗り換え、吉野口駅で近鉄吉野線に乗る。和歌山線は和歌山駅と奈良県王寺駅をむすぶ全長87.5kmの単線電化路線。和歌山からほぼ紀ノ川に沿って東進し、五条の辺りで北上して王寺駅に向かう。また途中の高田駅から桜井線経由で奈良駅まで運転される列車もある。橋本から吉野口までは約40分だが、昼間は1時間に1本のダイヤである。 |
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JR和歌山線の奈良ゆき列車 105系2両編成で運転される。 橋本駅
橋本駅はJR西日本と南海電鉄の共同使用駅で、ホームは1-3番線をJR、4-5番線を南海が使用する。 |
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近畿日本鉄道吉野線は橿原神宮前駅と吉野駅間25.2kmの単線電化路線だが、大阪阿倍野橋から来る南大阪線と橿原神宮前でつながっている。多くの列車は橿原神宮前から南大阪線に直通して大坂阿倍野橋まで運転される。橿原神宮駅では橿原線と接続するが、吉野線は軌間が1067mmの狭軌であるため、標準軌の橿原線とは直通運転できない。 |
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大阪阿倍野橋発急行吉野行き入線 6620系4両編成 吉野口駅
急行といっても吉野線内は各駅に停まる。 |
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16000系特急大阪阿倍野橋行き
特急、急行が15分間隔で交互に運転される。
福神(ふくがみ)駅 |
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上り急行大阪阿倍野橋行き6620系
大阿太(おおあだ)駅 |
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六田(むだ)駅に接近する上り列車。吉野線は前身である吉野軽便鉄道時代の大正元年(1912)に吉野口駅とこの六田駅間が最初に開業した。当時はこの駅が吉野駅だったそうで、昭和3年全線開業時に六田駅と改称したという。留置線がたくさん分岐していたり車庫があったり、かつてはターミナル駅だったことをうかがわせる。また、本線の両側には昔のホームが残されているのが見える。
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上り急行大阪阿倍野橋行き6200系
六田(むだ)駅 |
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大和上市駅を過ぎると吉野川を渡る。前方の駅は吉野神宮駅。
同じ川だが和歌山県では紀ノ川、奈良県では吉野川となる。 |
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吉野神宮駅を発車。すぐに33.3‰の急坂が始まる。吉野線最大の坂である。 |
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33.3‰を登り切るといったん下って吉野駅に向かう。 |
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やがて吉野駅が見えてくる。
3面4線のホーム構造。 |
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16000系特急列車(左)と6200系急行列車が停車中
吉野線内の特急停車駅は、吉野神宮・大和上市・六田・下市口・福神・吉野口・壺坂山・飛鳥・橿原神宮前で、急行は各駅に停車する。 |
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吉野駅駅舎
山合いのどん詰まりの駅だが、駅前は閑散としていた。
吉野山へのアクセスは不便で、ロープウェイがあるものの、路線バスはない。タクシーを呼ぶか、旅館の送迎に頼るしかない。そうでなければ、山道を歩くことになる。近鉄はそこまで面倒を見ないようだ。 |
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吉野駅からすぐのところに”ケーブルのりば”の案内がある。ケーブルといっても実はロープウェイで、この先の千本口駅から吉野山へ直行できる。吉野大峯ケーブル自動車という地元資本の独立事業者が運営しているそうだ。このときは運休だかなんだかわからないが、動いておらず、やむを得ず高低差100メートルの登山道を歩く羽目になった。
紅葉がきれいな割には駅の周辺はなんとなくうらぶれていて、寂しげな風情が漂う。 |
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吉野からの帰りは橿原神宮前駅乗り換えの橿原・京都線経由で京都駅までのルートを使った。
残念ながら京都行き急行は混んでいて橿原線内のかぶりつきはできなかったが、大和西大寺駅で車掌室前の座席にありついた。そのため京都線内では最後部ながら、なんとかかぶりつけた。 |
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大和西大寺駅の大ジャンクション
この列車は右側の橿原線から奈良線線路に転線して3番ホームに入線したところ。同じ線路の後方にはすでに列車が接近している。このような複雑なポイントで、かつ過密な運転はあまり例がない。
関連ページ:「近畿日本鉄道」 |
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大和西大寺3番線から京都線線路に転線したところ(最後部から撮影)。後方の列車は大阪難波方面行きで右方向に進行する。 |
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1249系急行奈良行き
新祝園(しんほうその)−木津川台 |
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新田辺−大久保
京都市営地下鉄10系とのすれ違い。
竹田駅から京都市営烏丸線が乗り入れて、近鉄奈良駅まで直通する。 |
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大久保駅で12600系特急(左)とのすれ違い、京都市営10系国際会館行きを追い抜き。 |
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澱川(よどがわ)橋梁
向島−桃山御稜間の宇治川にかかる単純トラス橋で日本最長の164.5メートル、高さ24.4メートルの巨大なトラス橋である。登録有形文化財に指定されている。
この鉄橋は京都線の前身である、奈良電気鉄道時代の1928年に建設されたが、宇治川のこの周辺は当時、陸軍の演習地があり、その架橋訓練の邪魔になるという理由で宇治川に橋脚を建てることを禁止されたために、無橋脚にせざるを得なくなり、結果的にこのような大規模な単純トラス橋となったという。
トラス橋とは橋げた部分が細長い部材を両端で三角形に繋いだ構造を繰り返して桁を構成する橋で、鉄道橋のもっとも一般的な形態である。単純トラスは、2か所の橋台だけでトラス構造を支えるもの。(下図) |
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秋の京都に到着
東本願寺から京都タワーを望む。
ろうそくを形どったというこのタワーは、建設にあったって物議を醸したようだが、今は京都のランドマークとしてすっかり定着した。 |
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鉄道総合ページ:「鉄道少年のなれの果て」
関連ページ:「急坂の鉄路」 |
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