続・小田急2010

今年(2010)にはいってから車両不具合で運用離脱していた特急ロマンスカー、10000形(HiSE)と7000形(LSE)電車がこのほど復帰した。前稿「小田急2010」で掲載できなかったので再度撮影にでかけた。また、特急あさぎりが通る新松田近くの連絡線の様子、および新松田-箱根湯本間のみで運転される赤い1000形も含め、海老名駅から小田原駅にかけて途中下車しながら見てきた。(2010.05.02)

■10000形HiSE

1987年登場。ロマンスカー伝統の展望席をもつが、展望席以外の客席部分は高床式(Hi-Decker)構造になっていて、「HiSE」の愛称の謂われともなっている。1988年度ブルーリボン賞受賞。当初4編成が製造されたが、のちに2編成が長野電鉄に譲渡され、現在は11両編成2本が在籍する。

小田原駅に着いた「はこね」号 この先箱根湯本まで箱根登山鉄道線に直通する。

先頭展望席部分の傾斜は37度で、先端部分が絞られているのでシャープな顔つきとなっている。

渋沢駅を通過する上り「はこね」号

■7000形LSE
1980年登場。1981年度ブルーリボン賞受賞。先代の3100形NSEから引き継いで展望席をもっている。
11両4編成が製造されたが、そのうち1編成は廃車となり現在は3編成が在籍する。

「はこね」号箱根湯本行き 新松田駅
上り「はこね」号 海老名駅

旧塗装の編成 海老名検車区

■特急「あさぎり」

JR御殿場線に乗り入れて新宿から沼津までを走る特急「あさぎり」号は、小田原線の新松田駅の手前から分岐している連絡線を通って御殿場線にはいる。1日4往復が運転されており、小田急20000形RSEとJR東海の371系電車がそれぞれ任にあたる。
JR371系は1991年に「あさぎり」用として登場した車両で7両編成1本のみである。中間に2階建てのグリーン車2両を組み込んでいる。1991年度通産省グッドデザイン賞に選定された。

海老名駅を通過する20000形RSE「あさぎり」

連絡線に進入してくるJR371系「あさぎり」
草ぼうぼうで民家すれすれの線路と、そこを走ってくる特急列車とのコントラストがすごい。

列車はゆっくりと通過して行く。
中間部に連結されている2階建てグリーン車両(サロハ371-1、371-101)。巨大なガラスが目を引く。

連絡線はこの先で大きく右に曲って御殿場線に合流し、松田駅に至る。
それにしても、この線路まわりの荒れようは・・・さらに右下の白い板きれの文言は・・・

■レーティッシュカラーの1000形

小田急1000形のうち4両編成3本の車体には、レーティッシュカラーといわれる赤色が採用されている。これは箱根登山鉄道がスイスの登山鉄道のひとつである、レーティッシュ鉄道と姉妹鉄道提携関係にあって、1000形、2000系の車体をレーティッシュ鉄道と同じ赤色としているので、箱根湯本駅まで乗り入れる小田急の車両も一部を同色としたという。
レーティッシュ鉄道は、歯車とラックレールを使うことが多いスイスの登山鉄道のなかにあって、ループやトンネルで高度をかせぎ、粘着方式のみで急勾配を登る登山鉄道で、箱根登山鉄道がモデルとした鉄道という。レーティッシュ鉄道の最大勾配は70‰といわれるが箱根のほうは80‰である。

新松田−箱根湯本間の各駅停車として運転される。 新松田の引き上げ線で待機中。

小田原駅から箱根登山線に乗り入れる。

■小田原駅の留置線
以前は新宿発の優等列車が箱根湯本駅まで乗り入れていたが、現在は特急以外の列車は小田原駅または新松田駅発の各駅停車(4両編成)だけが乗り入れるように変更された。そのため直通の特急列車を使わない場合には、新松田駅か小田原駅、またはその間の駅で箱根湯本ゆきの各駅停車に乗り換える必要がある。

右の列車は箱根湯本駅からの新松田行き各駅停車。
左の引き上げ線は小田原止まりの急行相模大野行き列車。
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鉄道総合ページ:「鉄道少年のなれの果て」