速報!E233系
JR中央快速線に、このほど最新鋭通勤型車両E233系が就役した。中央線に新型通勤車両が投入されるのは、1979年に現行の201系が登場して以来で、実に28年ぶりのことである。中央線は通勤線の代表として、国鉄時代からつねにその時々の最新型の通勤車両が投入されてきた線区である。1957年に登場した新性能電車の先駆けである、101系はオレンジ色に塗装されて中央線を走りだした。当時の国電はチョコレート色一色で、そのなかで101系はひときわ異彩を放った。泉麻人流にいうと、中央線は一ランク偉かったのである。1973年には103系が加わり、1979年に201系が登場して101系、103系は順次置き換えられて現在にいたっている。101系、103系は山手線や京浜東北線、総武緩行線、常磐線などにも波及していったが、その後これらの線区には205系、209系E231系などの新鋭車両がつぎつぎに投入されて世代交代が進んだ。しかしその間、中央線は201系時代が長く続いたのである。誇り高い中央沿線の利用者は切歯扼腕だっただろうが、やっとE233系の登場で溜飲を下げたかもしれない。

E233系は中央快速線に充てられるほか、青梅線、五日市線にも入線する。2008年までに現201系をすべて置き換える予定という。これで首都圏の主要路線における車両の世代交代は一段落すると思われる。
そこでさっそく、その雄姿を見に出かけた。所用があって有楽町に行ったので、そのあと神田駅あたりで撮ろうと思ったが、なにしろまだ本数が少ないのでいつ来るかわからない。いっそのこと、下り電車で中野あたりまで行くうちに、すれ違う上りE233系電車があるかもしれない。すれ違えば中野駅でそれが引き返してくるのを待てばよいことになる。そう考えて神田から快速高尾行きに乗った。すると、なんと!お茶の水駅で上りホームにはいってくるE233系とすれ違ったのである。3本目のすれ違いなので、いま乗っている電車の3本あとに東京駅から引き返してくることになる。

中野駅に着いて、上り快速線ホームに立って3本あとに来るE233系の下り列車を狙うことにした。ホームにはやはりカメラを構えている同好の士がいる。そのうちのひとりのおじさんに声をかけて、3本あとにE233系がくることを教えてあげた。おじさんは、もうすでにいろいろなところで撮影しているらしい。西荻窪駅が撮影にはいいという。E233系はまだ4編成くらいしかないそうで、遭遇するチャンスは少ないとも言っていた。すると、きょうはきわめてラッキーだったことになる。そんな話をして待つうちに、いよいよやってきた。正面上部の両側にあるヘッドライトを輝かせて、オレンジ色のラインを引いたピカピカの新車がすべりこんできた。到着してすぐに発車してしまったので、数枚の写真しか撮れなかったが、こんどは上りを待って、それに乗って帰ろうと思った。しかし来るのは201系ばかりで、特急「あずさ」や「かいじ」なども通過して行くがE233系は来ない。しばらくねばったが、あきらめて201系上り電車で帰路につく。電車の中からホームを見ると件のおじさんはまだねばっていた。(2007.01.08)


全体はE531系をベースにしたと思われるが、正面ガラスの部分が下すぼまりの台形で、白い側面部分が丸く回り込んでいるので、ソフトな感じを受ける。

E531系と同じく、ヘッドライト、テールライト、行先表示、運行番号を正面上部に集めている。また、これまでのJRのステンレス車両と違って側面のラインがドア部分にも引かれていることが特徴。この列車には女性車掌が乗務していた。

行先表示は、”快速”と”快速 高尾”を交互に表示する。

間もなく主役交代となる201系。全鋼製と全面塗装の車体は重厚さを感じさせる。
関連ページ:「E233系 - その後」
鉄道総合ページ:「鉄道少年のなれの果て」